Japanese
English
臨床研究
高齢者の上部胃癌
The upper region carcinoma of the stomach in the aged
押淵 英晃
1
,
鈴木 博孝
1
,
川田 彰得
1
,
矢端 正克
1
,
松田 滋明
1
,
寺田 昌功
1
,
横堀 直孝
1
,
平嶋 勇
1
,
木村 秀俊
1
,
榊原 宣
1
Hideaki OSHIBUCHI
1
1東京女子医科大学消化器病センター外科
pp.1473-1476
発行日 1976年11月20日
Published Date 1976/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206623
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はじめに
近年平均寿命の延長に伴い,高齢者の胃癌症例に接する機会が急速に増加しつつあり1,4,8),これら高齢者胃癌の取扱いは今後の大きな問題となつている.高齢者胃癌の特徴についてはこれまで数多くの研究があるが,高齢者の胃癌は若年者に比し下部胃癌の占める率が高く,噴門部がおかされることは少ないため,結果的に高齢者胃癌の特徴として主に下部胃癌についてのべられた報告が多い1,3,4,8,12,13).しかし高齢者にも上部胃癌は少なからずみられ,手術適応の決定,手術法の選択に際し全身状態の面からもしばしば問題となる.栗田6)は高齢者胃癌の発生原因について病巣部位別に,疫学的に検索し興味ある知見をえたとのべているが,われわれの集録しえたかぎり他に高齢者胃癌の特徴を病巣部位別に検索した報告は見出しえなかつた.そこで今回われわれは臨床病理学的に高齢者の上部胃癌を下部胃癌と比較して検討したので若干の文献的考察を加えて報告する.
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