Japanese
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特集 術後の急性機能不全
術後意識障害—脳外科の立場から
Postoperative unconsciousness in neurosurgical cases
西本 詮
1
,
宮本 俊彦
1
Akira NISHIMOTO
1
,
Toshihiko MIYAMOTO
1
1岡山大学医学部脳神経外科
pp.1435-1444
発行日 1976年11月20日
Published Date 1976/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206619
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はじめに
われわれは,日常意識状態を外来刺激に対する反応性,すなわち覚醒(wakefulness)の面からとが,あらゆる精神機能の総和としての意識内容(content of consciousness)の二面から把握しているが,実際的な分類としては,Mayo Clinicの分類1)に従つて,意識状態を深昏睡(deep coma),半昏睡(semicoma),昏眠(stuporまたはdrowsiness),傾眠(somnolenceまたはlethargy)の4段階に分け,それに覚醒状態は比較的保たれているが,周辺環境との疎通を欠いた状態である錯乱(con—fusion)を加えたものを使用している.特殊な病態としては,これにakinetic mutism2),apallis—ches Syndrom3)が加えられる.
ところで,脳手術の術後に起こる機能脱落症状としては,意識障害は最も重大で,迅速な病状の把握,原因の確定,適切な治療が要求され,この点,意識障害というものに対して深い認識が求められる.
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