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特集 早期大腸癌の外科
早期大腸癌の診断―内視鏡診断と生検
The value of colonoscopy and biopsy and diagnosis of early cancer of the colon and the retum
武藤 徹一郎
1
,
上谷 潤二郎
1
,
石川 浩一
1
,
池永 達雄
2
,
山城 守也
3
Tetsuichiro MUTO
1
1東京大学医学部第1外科
2虎の門病院消化器外科
3養育院付属病院外科
pp.725-732
発行日 1976年6月20日
Published Date 1976/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206523
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はじめに
近年,わが国の食生活の西欧化にともなつて,大腸癌の頻度は増加の傾向にある3).それとともに,早期大腸癌は関心が寄せられ,その診断に多くの努力がはらわれているのは当然の成り行きであろう.早期大腸癌の術後成績は早期胃癌に比べてはるかに良好であり,その診断成績の向上は治療成績の向上をもたらすに違いない.しかしながら,同じ消化管臓器であつても,胃と大腸とでは早期癌の性状,形態は必ずしも類似しておらず(むしろ非常に異つている!),診断に至るアプローチ,手順はかなり異つてくることが少なくない.本稿ではわれわれの経験を通して,早期大腸癌の生検を含めた内視鏡診断の実際と限界について述べたいと思う.なお,早期大腸癌の定義は,早期胃癌に準じて,癌が粘膜内および粘膜下層にとどまるものとした.
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