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書評「消化管出血と緊急内視鏡検査」
川井 啓市
1
1京府医大
pp.1674
発行日 1977年12月25日
Published Date 1977/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112441
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プラハ(チェコスロバキア)でUrgent Endoscopyに関する国際シンポジウムが開かれたのは1970年(昭和45年)である.その後,本シンポジウムのProceedingが「Urgent Endoscopy of Digestive and Abdominal Diseases」として出版され,竹本教授が雑誌「胃と腸」に紹介されたのは,まだ記憶に新しい.多分この頃から,竹本教授にはこのような「消化管出血と緊急内視鏡検査」を予定されていたのではないかと思われる.
外国の医学に関する学会やシンポジウムに出席して感じるのは,まず欲しいのは共通の言語である.ここでいう言語とは単に英語とか日本語といった意味のみではない.このような問題は同時通訳という技術である程度はカバーできるが,むしろ重要なことは疾患に関する共通の関心である.少なくとも共通の定義にたっての理解がなければ問題点の討議はできないし,国際会議は各国の学者の集まりに過ぎなくなる.そんなことは当然だと考える人は多いかも知れないが,たとえば日本にいても,赤痢やマラリヤなどに関する優秀な講演を聞き,かつ討論できるback-groundが十分にあるのかを考えてみたいものである.
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