Japanese
English
特集 胃全剔
再建法とその成績
結腸挿入
Replacement after total gastrectomy and its results: Interposition with colonic segment
篠田 正昭
1
Masaaki SHINODA
1
1岐阜歯科大学外科
pp.333-340
発行日 1974年3月20日
Published Date 1974/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205991
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はじめに
胃全剔にともなう再建術式のうちで,もつとも優れた術式はどれかと問われれば,著者はその患者に一番適した術式を過去の経験からその都度えらび出すことだと考える.大きい胃袋をもつた日本人は消化器機能にも個人差が大きく,したがつて同一術式を採用することは無理だと思われる.結果としては摂食量が多く,しかも消化吸収の状態がよいことが必要条件である.そのためには通過障害や逆流性食道炎の発生しにくい術式が採用されることになる.現在までの外科の常識としては,食道と十二指腸の間を約25cm程はなすようなBillroth I法がよいとされ,そのために腸管の介置法がとられている.今回著者にあたえられた分担題目はそのうちの結腸を介在させる方法である.
結腸挿入による再建術式としては,横行結腸の一部を有茎に移植するD'Errico(1950)1)16),Moroney(1951)1)15)の方法と,回盲部を移植するMarshall-Lee(1951)2)の方法がある.横行結腸移植法はSeo-Longmire(1948)1)による空腸挿入法とその意義を同じくする.すなわち食道十二指腸間に距離を保つて十二指腸液の食道内への逆流を防止し,あわせて小腸よりも貯溜能を大きくして摂食量を多くする目的である.
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