学会印象記
第73回日本外科学会総会から
宇都宮 譲二
1
,
三島 好雄
2
1東京医科歯科大学第2外科
2東京大学医学部第1外科
pp.693-695
発行日 1973年5月20日
Published Date 1973/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205806
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編集部より本学会についての感想をまとめる様求められた時はすでに会期もなかばに達していたし,またこのマンモス学会のすべてを総括することは不可能であるので急ぎ思いつくままに筆をとつた.それは学会のあり方と内容とに分けられる.
学会とは一言でいえば情報交換の一つの手段であるが,今日特に,医学の分野においてその傾向が著しい情報の急激な増大に対応する為に,その伝達と処理機構もまた複雑化の一途をたどつている時,学会の姿も急速に変貌し,多くの矛盾をかかえつつあることは否定することはできない.学問の分化の方向に対応する為に,それぞれの臓器・治療手技・研究課題別に分化会,研究会がつぎつぎと形成され,また地域や共通組織内における地方会など,外科系のみに属するものでもその数を即座に正確に答えられる者ははたしているであろうか?このような現況において,外科学会総会のあり方はいかにあるべきかということは歴代の会長がもつとも腐心する点であると思う.以下私なりの考え方をまとめて今回の学会にこれをあてはめてみよう.
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