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特集 今日の救急
形成外科からみた顔面外傷の救急処置
Emergency treatment on facial injuries in the plastic surgical field
平山 峻
1
Takeshi HIRAYAMA
1
1杏林大学医学部形成外科
pp.221-227
発行日 1973年2月20日
Published Date 1973/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205749
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はじめに
救患室に顔面血だらけの患者が運び込まれたとする(第1図).読者は顔面外傷の診断,処置の1つ1つについてはすでに成書で述べられているので熟知のことと思われるが,このような救急患者の総合的判断,救急治療をどのように取り扱い,診断し,治療を進めていくべきかということを,著者の経験をもとにして詳述していくことにする.
今回は顔面外傷でもとくに交通災害による顔面外傷について述べることとし,熱傷その他の原因による外傷例については他の機会にゆずることにしよう.
交通戦争という言葉はすでに使い古された感もあるが,最近では自動車排気ガスによる公害は勿論のこと,自動車事故による顔面外傷はとくに増加の傾向をたどり,それらの外傷例は顔面の軟部組織から始まり,眼,鼻部およびそれらの付属器の損傷,顔面骨折に至るまでの幅広い範囲にまで波及している.
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