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特集 早期癌の外科治療
大腸早期癌の外科治療
Diagnosis and treatment of early cancer of the large intestine
山田 粛
1
Susumu YAMADA
1
1癌研究会付属病院外科
pp.51-54
発行日 1972年1月20日
Published Date 1972/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205521
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はじめに
大腸早期癌は,癌の浸潤が粘膜内または粘膜下に止り,いまだ粘膜下層への浸潤のないものをいう.転移の有無は問わないことになつているが,実際上転移のあることは稀である.大腸早期癌の大きさはおおむね2cm以内に止り,2cmを越えるものは少なく,治癒率ははなはだ高い.われわれの症例によると大腸癌のうちで長径が2cm以内のものは全部早期癌の範囲にあったが,2.1〜3.0cm例(壁在例)ではリンパ節転移約35%,早期癌16%,5年生存率60%であつた.われわれの早期癌29例の分析によると,形態的には有径ポリープ状42%,無茎ポリープ状26%,潰瘍形成性31%であつた.Sprattらによる20例(smallcancer)ではpedunculated 30%,sessile poly—poid 10%,sessile 30%,ulcerated 30%になつている.またわれわれの多発癌例中にみられた早期癌中にはⅡa型扁平隆起性腫瘍が少数にあつた.全例を通じて腺管構造の明らかな腺癌であり,硬癌,膠様癌はみられなかつた.また胃にみられる表面陥凹型(Ⅱc)も発見できなかつた.
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