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特集 今日の外傷—外傷患者の初診と初療
Ⅵ.骨盤損傷と尿路損傷
骨盤骨折の診断と治療
Diagnosis and initial treatment of pelvic fractures
真喜屋 実祐
1
,
小田 武雄
1
,
杉本 侃
1
Sanesuke MAKIYA
1
1大阪大学特殊救急部
pp.1321-1328
発行日 1971年8月20日
Published Date 1971/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205427
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従来,骨盤骨折は外傷のなかでも比較的まれなものとされ,骨折自体も単純で合併損傷の少ない軽症のものが大部分であつた.しかるに近年産業の発達,それに必然的に伴う運搬手段の高速化,大型化により本外傷も確実に増加しつつあり,かつ頭部外傷,胸部外傷,腹部外傷その他の外傷を合併した多発損傷の型を呈した重症のものが多くなつた.したがつて今日の骨盤骨折のなかには,診断,治療の面で従来の考え方では律しきれない問題をかかえたものが多い.大量出血に基づく,ショック等の循環機能不全,胸部外傷を合併した場合の呼吸器機能障害,重症骨盤骨折に伴う骨盤臓器の損傷に対する処置等がそれである,以下主としてこれらの問題について昭和45年1月—昭和46年4月までの,1年4ヵ月間に当科で扱つた17名の骨盤骨折患者の観察結果を中心に述べていきたい.
年齢は0歳〜70歳(平均36歳)で男子(13例)は女子(4例)の約3倍である.原因は自動車事故によるものが最も多く11例,次いで重量物の下敷きになつたものまたは,はさまれたもの5例で残りの1例は転落によるものである.死亡は3例で死亡率は17%である.
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