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特集 手術とその根拠・Ⅱ
胆道の手術とその根拠—乳頭成形術を中心に
Experience of transduodenal sphincteroplasty
石川 浩一
1
,
菅原 克彦
1
,
田島 芳雄
1
,
小暮 洋暉
1
,
野呂 俊夫
1
Koichi ISHIKAWA
1
1東京大学医学部第一外科
pp.899-906
発行日 1971年6月20日
Published Date 1971/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205374
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はじめに
種々の原因により総胆管末端部の狭窄や閉塞がおこりうるが,その際の外科的治療の術式についてはすでに1800年の終り頃から多くの方法が考案されている.最近になつてラジオマノメトリー,X線テレビが外科領域に導入され,外科生理の面からの研究も進んだが,依然として種々の術式の可否について決定的な結論はでていない.
乳頭部における機能的,器質的変化は悪性腫瘍のほかに胆石症,慢性再発性膵炎などでみられることが多く,良性の器質的変化が高度の場合には乳頭に対する直接手術ないしは胆道・消化管吻合術が行なわれている.
私どもは胆道内圧測定や手術中胆道撮影法により,胆汁や造影剤が十二指腸に排出される様相を経時的ならびに形態的に捕捉して,この結果と疾患の経過,全身状態,局所所見などを参照して,外傷および腫瘍を除く良性の乳頭部通過障害に対し経十二指腸乳頭括約筋成形術(以下乳頭成形術と記載する)を行なうか否かを判断している.本稿ではこの乳頭成形術の適応や術式と,これを行なつた症例の術後成績を検討した.
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