Japanese
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特集 外科とくすり—副作用と適正な使用法
外科におけるホルモン療法
Hormone therapy in the surgical diseases
斉藤 純夫
1
Sumio SAITO
1
1東京大学医学部第二外科教室
pp.581-591
発行日 1971年4月20日
Published Date 1971/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205338
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外科で日常使用されるホルモン剤の適応は手術に伴う生体変化に対応する場合と,手術前あるいは手術後の診断および治療に対する場合とに大別される.術中ショックに対する副腎皮質ステロイド,髄質ホルモンや,バセドウ病の術直後に対する副腎皮質ステロイド,甲状腺ホルモン,および副腎別除に伴う置換療法としての副腎皮質ステロイドの使用などは前者に相当する.一方,副腎皮質疾患の術前検査としてACTH刺激試験あるいはデキサメサゾン抑制試験,膵切除後のインスリン治療などの特異的使用や,抗炎症,解熱,抗ショック,蛋白同化などを目的とした一般的使用がある1).
上記の諸目的のために使用されるホルモン剤は数多いが,現在最も広く使用されているのは副腎皮質ステロイドホルモンであるので,本文ではこれを中心にして外科臨床におけるホルモン療法の実際を,適応および副作用など使用上の注意を含めて述べたい.
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