連載 Estrogen Series・12
ホルモン補充療法における黄体ホルモンの役割(その1)
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.208-209
発行日 1997年2月10日
Published Date 1997/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902846
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ホルモン補充療法(estrogen replacementtherapy:ERT)は更年期後の女性でオステオポローシスを予防し,心臓病の発生を減少させる.しかし,エストロゲンのみを投与したのでは,子宮内膜癌が増加するため,progestins (種々の黄体ホルモンを総称してprogestinsと呼ぶ.プロゲステロンという場合は特定の構造式と作用をもつ物質を指す)を加えなければならない.それによりエストロゲンの作用はprogestinsにより影響を受けることになる.その影響は望ましいものもあり,望ましくないものもあるが,ここでproges—tinsによる影響とはなにかを検討した好論文をご紹介したい.臨床的には,すでに子宮摘除術を受けていて,子宮のない患者に対してはprogestinsを併用する必要はない.
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