Japanese
English
特集 熱傷の早期治療
総説
第Ⅲ度熱傷の局所療法
The treatment of the third degree burn wound
関口 忠男
1
,
外山 紘三
1
,
福島 弘毅
1
,
柿田 紀男
1
,
大野 満
1
,
八木 義弘
1
,
林 周一
1
Tadao SEKIGUCHI
1
1順天堂大学医学外科
pp.1497-1502
発行日 1970年10月20日
Published Date 1970/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205221
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はじめに
第III度熱傷の早期治療はいろいろな点で問題が多くむずかしいものである.ことに広範囲熱傷では,必ず種々の程度の熱傷が混在し,その深さの診断が困難な場合が多い.従つて受傷直後から第III度熱傷創面のみに特別な治療を行なうことは不可能で,大抵の場合は開放療法か,閉鎖療法かにより創面すべてを治療しながら経過をみて,第Ⅲ度熱傷を診断し,その治療に移行することになるわけである.第Ⅲ度熱傷の治療のありかたは,どんな場合でも,第1に感染の防止と敗血症の防止である.第2には壊死組織の除去,第3には良性肉芽の形成促進,第4には自家植皮の前段階としての一時的修復であり,第5には自家植皮による創面の修復である.この点に関して順次述べて行くのであるが,今回は特に,壊死組織の除去の方法について多少詳しく述べたいと思う.
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