Japanese
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特集 腫瘍の病理と臨床
論説と症例
胃の腺癌と平滑筋肉腫の同一腫瘤内共存例
A case of collision tumor of aoenocarcinoma and leiomyosarcoma of the stomach
山際 裕史
1,2
,
竹内 藤吉
3
,
大西 武司
3
,
稲守 重治
3
,
堀 英穂
3
Hiroshi YAMAGIWA
1,2
1三重県立大学医学部病理学教室
2三重県立大学医学部中検病院
3伊勢市立総合病院外科
pp.1005-1008
発行日 1970年7月20日
Published Date 1970/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205152
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はじめに
腫瘍が異なつた臓器に,別個に発生する場合に重複腫瘍という名称が用いられ,この場合は同一の臓器内であつても,組織学的に由来の異なる腫瘍であってもよい.同一臓器内で同じ組織源に由来するものである症例については,多発(多中心性発生)性であるとして重複腫瘍という名称を用いないのが適当である.
胃においては多中心性発生は上皮性腫瘍の場合はさほど稀ではなく,殊に組織学的レベルでは全く独立して別個に発生している例が,腸上皮化生と関連して生ずる成熟型腺癌では,よく観察される,しかしながら,非上皮性腫瘍の場合には,リンパ網内系のものでは初期には組織学的レベルでの多中心性発生がみられても一般に非常に少ないことであるということができる.
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