Japanese
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特集 緊急手術の手技・Ⅰ
気管切開
Tracheotomy
石原 昭
1
Akira ISHIHARA
1
1東京女子医科大学心臓血圧研究所
pp.1217-1221
発行日 1969年9月20日
Published Date 1969/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204930
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はじめに
古来欧米では,一刀の下に気管切開のできない者は小児科医にあらず,とジフテリアによる喉頭部閉塞に対する気管切開に腕を競つた時代があつた様である,しかし次第に医療の発達,特に化学療法の発現により,この種の気管切開は少なくなつてきた.現在では容易に無菌的に安全に何時でも気管切開ができる状況にある為に,ややもすれば,不適当な症例にも気管切開を乱用する傾向がある.また一方では簡単な道具で気管切開ができるのだということを,すつかり忘れて終つた様な一面もある.著者はIntensive care unit(ICU)にて多くの呼吸不全患者を取扱つている経験からその概要を述べてみたい.
急性呼吸不全の患者の上気道確保は経口(または経鼻)気管内挿管と,気管切開の二者に分れるが,短時間のreliefには経口気管内挿管が有利と考えている.しかし,それぞれに長短所あり,これを症例の病状とにらみ合わせて選択することが大切である.
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