救急医講座
頭部外傷の治療—救急処置から社会復帰まで—<2>急性期のベッドサイドの治療
西村 謙一
1
Kenichi NISHIMURA
1
1九州労災病院脳神経外科
pp.844-848
発行日 1969年6月20日
Published Date 1969/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204877
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Ⅳ.急性期のベッドサイドの治療
急患として運び込まれた頭部外傷患者で,直ちに手術を必要としない症例ならびに術後の患者は,刻々と変化する状態を把握するための観察と同時に積極的に処置を行なうベツドサイドの治療が中心となる.その治療プログラムは第1表に示す.ここでは,いわゆる治療,看護,およびリハビリテーションの3者が充分その力を発揮してはじめて効果を上げることができる.受傷後少なくとも12時間,通常は24時間から48時間は観察と同時にプログラムに示すように多くの処置を必要とするので,できれば看護婦の監視下におく特別な部屋が望ましい,家族をそばにおくことは処置を行なうにあたり困難を生じることが多いので,よく理由を話して理解してもらい面会謝絶にしておく.重症例には酸素投与が原則であるので防爆,火災の防止の点からだけでも多人数が患者に付添うのは感心しない.
次に,治療プログラムを実行するにあたり,重要と思われる点をやや具体的に述べる.
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