Japanese
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特集 顔面損傷のファースト・エイド
頬骨・上顎骨・複雑骨折
Middle third facial fractures
藤野 豊美
1
Toyomi FUJINO
1
1慶応義塾大学医学部形成科学教室
pp.1749-1761
発行日 1968年11月20日
Published Date 1968/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204731
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はじめに
警視庁交通部の昭和42年度の交通事故白書によれば,都内の負傷者は10年前の昭和33年(43,450人)に比較して約2倍(87,534人)に増加し,そのうちでも頭頸部(顔面を含む)損傷は71%を占め圧倒的に多い.これらの損傷に対し適切な処置を欠くと,顔面瘢痕,骨折による前頭部,鼻部,眼部,頬部,口腔などの一部もしくは全体を含む容貌の変化による醜貌と機能異常を生ずる.そして患者に重大な肉体的精神的負担に加えて劣等感を与えて原職への復帰を不可能にし社会的な悲劇さえもたらす.
このような事態を防止する道は大別して2つある.第1は事故が発生しないように予防を徹底させることである.第2は治療しにくい陳旧例にならぬように,初期に適切なファーストエイドを医学的に加えることである.
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