臨床メモ
下肢静脈瘤の手術的療法について
糸井 純三
1,2
1名古屋大学
2国立梅森光風園
pp.254
発行日 1968年2月20日
Published Date 1968/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204523
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下肢の表在性静脈瘤を有する患者は,われわれ外科医が,外来において,時々遭遇するもので,多くは長時間立仕事に従事する人や妊婦・経産婦に認められる.静脈還流を阻害するような環境におかれた人々に発生し易いのは当然であろう.このような場合,主訴は単に美容上の問題とか,作業後のいろいろの程度の倦怠感・疼痛とか,あるいはまた内科的療法や一部静脈の結紮を受けたが症状が軽快しない等々である.静脈炎とかvaricose ulserの如き場合ならばともかく,主症状が比較的軽微で,しかも緊急な治療を要するほどでないために,外科的根治療法はとかくなおざりにされがちである.しかし,放置しては症状の改善は全く期待されない.そこでわれわれは,次のような簡単な器具を用いて静脈瘤の抜去を行なつているのでその手技を簡単に紹介する.
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