Japanese
English
論説
血管性腫瘍の治療における流動性プラスチックの血管内注入療法
Intraluminal application of liquid plastic for the treatment of cerebral arteriovenous malformations and a highly vascularized tumor
佐野 圭司
1
,
神保 実
1
,
斉藤 勇
1
,
喜多村 孝一
1
Keiji SANO
1
1東京大学医学部脳神経外科
pp.67-75
発行日 1968年1月20日
Published Date 1968/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204496
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はじめに
腫瘍あるいは腫瘤の構成分の大部分が血管であるものは,その手術的除去をはかる場合に多量の出血を覚悟せねばならず,そのために手術を断念しなければならない場合も少なくない.かような際に,あらかじめ腫瘍の栄養動脈および腫瘍内血管を人工的に閉塞しておくことができれば,腫瘍の摘出はきわめて容易となるはずである.
また脳動静脈瘤の手術的除去はさほど出血を伴うものではないが,動静脈瘤が脳機能の重要な部位をしめていたり,きわめて広汎な部位にわたつていたりすれば除去は不可能となる.かような場合,動静脈瘤を人工的に栓塞して瘤内の血栓形成をうながすことができれば,それは動静脈瘤の治療に一新生面をひらくことになるであろうし,また動静脈瘤の手術の補助療法としても役に立つであろう.
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