Japanese
English
特集 甲状腺疾患の問題点
甲状腺癌の治療および治療成績
Treatment and late result of thyroid carcinoma
野口 秋人
1
,
野口 志郎
1
Akito NOGUCHI
1
1野口病院
pp.1241-1246
発行日 1967年9月20日
Published Date 1967/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204396
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はじめに
甲状腺癌は大別すれば,比較的予後の良好な腺癌と予後の非常に悪い未分化癌とに分けて考えることができる.腺癌はどちらかといえば若年者に多く,未分化癌は老人に多い.わが国では,未分化癌は比較的少なく,腺癌が圧倒的に多いので,甲状腺癌は予後の良好な癌であるといつてもいいすぎではない.また腺癌では,多かれ,少なかれホルモン依存性,すなわち癌の成長がTSHによる刺激に依存していると考えられる点もあり,このことが甲状腺癌の対策を外少複雑にしている.癌であればどんな犠牲を払つても徹底的に広範な手術をしなければならないという考え方が一概に受け入れられない由縁である.
甲状腺癌の性質については著者ら1)の最近の綜説を参照されたい.なお本誌の性質上ここでは手術および補助的療法の一つであるホルモン療法についてのべ,放射性ヨード療法やテレコバルト外部照射についてはふれない.
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