Japanese
English
症例
肋骨に原発したEwing's tumorの1例
A case of Ewing's tumor arising primarily from the left first rib
兼行 俊博
1
,
石田 益偉
1
,
小原 正
1
,
田村 陽一
1
Toshihiro KANEYUKI
1
1山口県立医科大学外科学教室第1講座
pp.729-731
発行日 1967年5月20日
Published Date 1967/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204316
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はじめに
1924年,James Ewing5)が組織学的に既存の骨肉腫とは異なつた円形細胞肉腫を報告して以来,このEwing'stumorは多数の学者の研究にもかかわらず,いまだその本態は解明されておらず,著者によりまちまちに記載されている現状である.しかし,現在,最も一般的な見解はLichtenstein and Jaffe13)の説で,この腫瘍は骨原性でありながらまつたく骨形成能を欠き,骨髄の細網組織より由来するものといわれ,Oberling and Raileanu16),赤崎4)らも同様な意見である.組織学的には,血管の豊富な間質組織に支持された,核膜の明確な比較的大きな円形の核を有する細胞質に乏しい腫瘍細胞群が,蜂窩状に,あるいは柱状に配列し,この細胞は血管周囲へ密集する傾向があり,Pseudorosetteを形成することがある.骨肉腫のうち,Ewing's tumorの発生頻度はGeschi-ckter and Copeland6)によれば15%であるが,Kolodny11)(7.7%),小島12)(8%),前山14)(3.6%)の報告によれば比較的稀有な疾患といえよう.
最近,われわれは左第1肋骨に原発したEwing'stumorの1例を経験したので,ここに報告し,大方のご批判を仰ぐ次第である.
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