論説
Cystic Duct Syndrome
富田 濤児
1
,
植草 実
1
,
堀内 弘
1
,
遠藤 巌
1
,
米山 桂八
1
Tohji TOMITA
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
pp.685-689
発行日 1967年5月20日
Published Date 1967/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204306
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
胆石症様の発作性右季肋部痛を訴えるが,胆嚢造影を行なうと胆嚢はよく出現し,しかも結石をみとめない症例のうちには,臨床的に判定がむずかしい胆道系のいろいろの器質的変化,あるいは機能的異常が発症の原因となつている場合がある.Westphal1)に始まる胆道ジスキネジーにおける胆嚢胆汁の排出障害は胆道系の自律神経失調に由来すると理解されているが,その概念については議論が多く,診断の根拠は必ずしも明確でない.しばしば器質的原因からくる場合をも含めるものもある.著者らはこのような,いわゆる胆道ジスキネジー様の症例のうち,胆嚢管の疎通性が発症の原因となつていると考えられた症例について検討,報告する.
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.