Japanese
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特集 鼠径・陰嚢ヘルニアの問題点
ヘルニア術後創の化膿した場合の処置はどうすべきか
Treatment of postoperative suppuration of hernia
前田 友助
1
Tomosuke MAYEDA
1
1前田外科病院
pp.28-31
発行日 1967年1月20日
Published Date 1967/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204199
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はじめに
ヘルニア(鼠径,陰嚢ともに)の化膿は以前にははなはだ稀というほどではなく,時々見かけたことがあつたが,近年はほとんどこれを見ることはなくなり,少なくも私自身ここ10年以上ほとんどこれを見たことがない.
ヘルニアが化膿するとその跡始末には実に困るものであるが,幸いに近年これが著しく少なくなつたのは何よりもペニシリンなどの抗生物質が広く使用されるに到つたことが最大の原因であると思う.今日,手術場で使用の器械や材料を十分に消毒し,術後に適当量の抗生物質を用いたならばヘルニア手術創の化膿はほとんど起こりえないもののように考えられる.ただ,手術後に血腫が形成され,それが瘻孔状となつて化膿菌が侵入して化膿することなどは考えられないことはない.これらの点で手術後少なくも1週間は患者に安静を守らせることは必要で,私は一部に行なわれているように手術後3,4日目から起立歩行させ,あるいは僅か3,4日の入院で退院させることなどは避けるべきものと信じている.
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