患者と私
外科医生活四十五年—修業医時代と指導医時代の思い出
大沢 達
1
1大沢外科病院
pp.1400-1402
発行日 1966年10月20日
Published Date 1966/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204120
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学生時代に先輩の外科医から「内科はなおる,外科はなおす」と聞かされ,何となく外科が好きになり,学窓を出るとただちに外科の教室にお世話になつた.それから今日までの45年間ドイツ留学中の2年間と,一昨年のウィーン国際外科学会出席を兼た海外旅行約2ヵ月の間を除き,片時も患者と離れたことなくひたすらに外科の道を歩み続けた.
1921年から1940年までが教室時代(この間教授3度び渡欧,約3年間教授代理),1940年から東洋第一といわれた大連病院外科臨床の外科主任として10年間,1951年より病院を経営して15年間,顧ればどの時代も臨床と研究にあわただしく忙しい毎日であつた.このたび本誌からこの欄に後進の人々のため何にか書くようにとのことだが,非常にせわしくて落ちついてまとまつたことを書いていられないので,40余年間患者との歩みをふりかえつて,ただ思い出すままに多少とも御参考になりそうなことを語つて見たい,
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