特集 腹部外科の臨床
研究と報告
腸管嚢胞様気腫の1例
米川 温
1
1鳥取大学医学部綾部外科
pp.1289-1291
発行日 1965年9月20日
Published Date 1965/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203762
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腸管嚢胞様気腫(Pneumatosis cystoides intestinalis)はMeyer (1825)が豚の小腸に発見し,又Bang (1876)はS字状結腸捻転症によるイレウスで死亡した婦人の剖検に際し,たまたま小腸に本症をみいだした.Hahn(1899)は幽門狭窄の1例に開腹術を行なつた際これを発見した.その後内外文献に報告例が散見された.がなお比較的まれな疾患に属し,わが国では三輪(1901)の報告以来80例あまり過ぎないといわれる.その発生原因についてもいまだ十分に解明されていない.著者は最近,胃癌の1症例の開腹手術に際し,腸管の広汎かつ高度の嚢胞様気腫を合併していた症例を経験した.ここにその臨床所見の大要を記し,大方の御参考に供したいと思う.
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