グラフ 外科病理アトラス
脳腫瘍(2)
星野 列
1
1広島大学
pp.695-699
発行日 1965年6月20日
Published Date 1965/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203627
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2.髄膜腫meningioma
⑲HE染色,×400.くも膜絨毛から発生する腫瘍で,基本的な組織像は多辺形で,比較的大きい球形核を育する細胞が,特定の組織構造を示さず密集しているものであるが(meningotheliomatous type),特徴的な所見としては,図に示すように,各所で細胞が細長い形をとつて同中心性の渦状構造を示すことである(whorl formation).通常,悪性の徴候は認められない.線維成分を多く含むものはfibroblastic type と呼ばれ,多数の毛細血管腔を含むものをangic-blastic type と称する.
⑳HE染色,×400.whorlの中心部あるいは腫瘍内血管が硝子変性におちいると,そこに石灰が沈着する.これをpsammomabodies (砂粒)と言い,砂粒のとくに多数に認められる型をpsammomatous typeと称する.時によると,レ線単純撮影で腫瘍の輪かくを認め得る程度にまで達することがある.
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