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古くなつたテトラサイクリン,他
pp.1706-1708
発行日 1964年12月20日
Published Date 1964/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203507
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テトラサイクリン投与でBUN増加・悪心・嘔吐を見ることがある.Shils (Ann.Int. Med.58:389, 1956)によるとテトラガ蛋白のアミノ酸取り入れを阻害するという.尿素がクレアチニン・尿酸より著明にふえる.またテトラはリボフラビン系酵素を阻害するという説もあり,尿にヒスチジン・トリプトファン・スレオニン排泄の増加することがある.さて,すでに日限をすぎ,古くなつたテトラを内服し,Fanconi症候群に一致する代謝性アシドージスを呈し,ついに昏睡に陥つたという症例がGross (Ann.int.Med, 58:523, 1963),Frimpter(JAMA 184:111, 1963)によつて報ぜられたが,また,Wegienka (Arch.int.Med.114:232, 1964)によつて追加された.その主障害は尿細管の〔H〕+排泄不全にあり,HCO3再吸収,NH3産生,HPO3不全はない.症状が去つても尿細管障害は長く残るようで,数ヵ月は異常がつづくと見た方がよい.古くなつたものは用いないこと.
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