文献紹介
テトラサイクリン腎傷害,他
pp.1162
発行日 1965年11月20日
Published Date 1965/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491204225
- 有料閲覧
- 文献概要
Gross(Ann. int. Med, 58:523, 1963)がはじめて38歳婦人にT. を与えたのち,Fanconi症候群の発生したことを報告した。嗜眠,蛋白尿アシドージス,糖尿,アミノ酸尿,があつたが,45日後に回復した。その後Fellers(Fed. Proc. 23:573, 1964),Zimmerman(J. M. Sinai Hosp. 31:38, 1964),Wegienka(Arch. int. Med. 114:232, 1964)など数例の同様報告あり。著者例は33歳白人婦人,下腹痛で,骨盤内炎症という診断でT.投与2週。骨盤症状は軽快した。1カ月後再発,その母親が古くなつたTを,1日4-6錠,3日与えた。悪心あらわれ,目がくらみ,尿に血球あらわれ,嘔吐脱力,腹痛で入院した。血圧 98/86,体温 37.2℃,腱反射低下,筋力低下,脱水,白血球17060,桿状核10%,尿比重 1034,蛋白(⧻),糖(-)ケトン(⧻),だんだん嗜眠状,嘔吐つづき,頭痛,四肢厥冷,眼振,アタキシー,腱反射消失。白血球増多 24000,BUN 39mg,CO2 6.5mM,Cl 103,Na 123,K 3.4,静脈血pH 7.18,空腹時血糖 182mg,髄液圧 140mmH2O。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.