特集 整形外科症例集
新生児大腿骨々折に対するKirschner鋼線髄内固定/大腿骨下端骨端線離開の2例
永野 猛
1
,
稲田 学
1
,
宮崎 真郎
1
1野本病院整形外科
pp.1383-1387
発行日 1963年10月20日
Published Date 1963/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203186
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いとぐち
分娩時に往々見られる長管骨骨幹部骨折(その大部分は大腿骨,上腕骨であるが)は,高度の骨転位にも拘わらず極めて容易に治癒し,変形も数年を経ずして自然矯正されてその機能障害も比較的少い点が特徴といえよう.しかし,授乳や頻回の襁褓の交換を必要とするため,局所の固定という点よりすれば誠に取扱いの厄介な骨折である.
Watson-Jonesはその著書,骨折の治療学にわざわざ"Birth Fractures"なる一項をもうけているが,その中に大腿骨骨幹部骨折では腸腰筋拘縮のため上骨片は強く屈曲し,高度の転位を来すのでこれが治療には特殊なフレーム(Birth fractureframe)による垂直牽引が最も良い方法であるとしている.
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