学会印象記 第16回日本医学会総会印象記
輸血
小出来 一博
1
1順大第一外科
pp.674-675
発行日 1963年5月20日
Published Date 1963/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203085
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日本輸血学会は日本医学会総会の第48分科会として,第11回総会が慶大島田教授会長,神医大藤田教授会頭のもとに,阪大病院大講堂で開かれた,会場は臨床講義用の階段教室で,小じんまりしているが,久し振りに学生に返つたような気持で聞くことができた.
今回は総会の一環として,特別講演は外人のみ3名であり,われわれ外科臨床医にはやや直接関係のないもののようであつたが,われわれに関連のあることを略記してみる.Columbia大学のE.A.Kabatは,Hetero-geneity of antibodies and the architecture of the anti-body combining siteという題で抗体の異種性と抗体結合部位の構造についてのべられたが,われわれ臨床医の理解し得たのは,デキストランの抗体に異種性のあることであつた.Cutter Lab.のW.E.WardはIsolationand culture of homologous serum jaudance virus fromhuman blood and huma blood Productsという題で,特殊のFL tissue culter cell lineを用いて血清肝炎ウイルス分離に成功し,その性質を検討している.然し動物実験には成功していないが,われわれ臨床医を悩ます血清肝炎解決の一歩として注目に値にする.
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