特集 周産期医療のヒヤリ・ハット―医療事故・医療紛争を防ぐために 新生児編
各論
医薬品・輸血に関するもの 輸血事故
加藤 丈典
1
,
小山 典久
2
KATO Takenori
1
,
KOYAMA Norihisa
2
1名古屋市立大学医学部附属西部医療センター小児科
2豊橋市こども発達センター
pp.1077-1080
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001010
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はじめに
輸血療法はNICUにおいて実施頻度が高い治療法の一つである。しかしながら,新生児は体格が小さく,輸血を実施する際には血液製剤を無菌的に分割したり,投与前にシリンジに分注したりするなど成人と異なる手順をとる。また,多くのNICUでは部門システムが採用されており,輸血製剤のオーダーや認証の仕組みが成人とは異なることもあり,電子カルテに張り巡らされた輸血事故を防ぐシステムとは別の枠組みとなりうる。これらの特殊性から,新生児に輸血が行われるNICUではインシデントやアクシデントが生じやすい環境にあると思われる。本稿では,輸血に関連するヒヤリ・ハットが起こりやすい状況をあらためて列挙し,輸血に関連する医療事故を減らすにはどのような注意が必要かについて考えていく。
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