Japanese
English
論説
私どもの胃癌手術の成績と反省
Result and reflection of operative treatment of the gastric Cancer
脇坂 順一
1
,
弓削 静彦
1
,
山内 胖
1
,
樺木野 修郎
1
Junichi WAKIZAKA
1
1久留米大学医学部脇坂外科教室
1Dept. of surg. Kurume Univ. School of Med.
pp.479-485
発行日 1963年4月20日
Published Date 1963/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203061
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いとぐち
Billrothが胃癌に対して初めて胃切除(B-I)を行なつたのは1881年1月29日であつた.従つて,胃癌の外科は今日迄約80年の歴史を歩んだことになる.その後多くの先達により,胃癌の外科は手術の他,診断特に早期診断,発生病理,後療法,予後その他多くの研究が積み重ねられ,手術の直接死亡率は著しく低下した.特に最近,手術手技の向上,輸血,輸液の進歩,麻酔の発達,抗生物質の普及などによつて,さらに死亡率は低下しているが,その遠隔成績に関しては,胃癌の外科は胃潰瘍外科にくらべ年と共に進歩のざめましいものがあつたかと云うと残念ながら"然らず"と云わねばならない.私どもは胃癌根治手術成績の向上は如何にして,これを求むべきかを吟味検討中であるが,その足がかりの1つとして,脇坂が教室を担当して満10年間に取扱つた胃癌患者の手術成績,特に5年以上を経過したものの遠隔成績を検討すると共に,胃癌切除標本の病理組織学的所見と予後の関係についても調査し,今後の反省の資料としたので,その大要を報告しておき度い.
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