Japanese
English
検査と診断
腸管の新しい診断法—診断用腸紐
New diagnostic method of intestinal canal
斉藤 淏
1
,
大江 国雄
1
,
金内 秀士
1
,
加藤 富三
2
Kiyoshi SAITO
1
1日本医科大学斉藤外科
2日本医科大学放射線科教室
1Surgery Nihon Medical College
pp.95-102
発行日 1963年1月20日
Published Date 1963/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203017
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癒着腸管の処置の困難さを思うとき,その診断,すなわちその存否と状況を詳細に知ることの必要性については今さらいうことはない.われわれは臨床的観察のほかにBaによるX線検査にたよつて来たが,多くのばあいそれでよかつた.たまたまイレウス管を使用して癒着性イレウスの解除されたとき腹壁に癒着固定している閉塞部をイレウス管の走行によつて明らかにし得ることを知つた.そこでとくに診断用の目的で特殊な腸紐を発表し(昭和35年),その後多数の臨床経験をつみ.今日では大方の試用をすすめてよいと考えるに至つた.ここに得られた経験例の一部をかかげて解説する.本検査法によつては癒着固定された腸管を発見し,その部位をも明らかにすることができる.また腸管の走行と腹腔内の位置を明確にするので腸吻合などの行なわれているばあいにはその発見と腸内容の移動状況をも知るにも役だつことがある.これに関連した2,3の興味ある症例をもかかげることにする.
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