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統計
関東労災病院における顔面外傷新鮮症例の統計
Early cases of facial injuries in Kanto-Rosai hospital
大野 恒男
1,2
Tuneo OHNO
1,2
1関東労災病院救急室
2関東労災病院外科
pp.1013-1015
発行日 1962年9月20日
Published Date 1962/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202978
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1.緒言
顔面外傷は頭部外傷とともに,種々の災害による外傷中,次第にその頻度と複雑さとを増してきている.特に交通災害や土建工事の災害などにおいては,治療上重要な位置をしめる外傷の1つである.しかし戦傷の場合と異なつて,平時における顔面外傷にあつては,それのみで直接生命を脅かすことは比較的少ないので,かえつて初期治療が等閑に付され,旧態依然たるものになり勝ちな傾向がみられる.たとえば十分なdebridementが行われないで,挫創面に土や油が付着したままで放置されたり,縫合されたりして,後に瘢痕内に着色を残すとか,顔面骨の骨折が整復されないでいて種々の機能障害や醜形を残すとか,いうようなことがかなりしばしばみうけられるのである.
著者は関東労災病院において,障害補償の認定などに従事していて,以上のようなことを痛感したので,昭和36年初めより,関連ある診療科の同僚諸兄とともに,顔面外傷に関する診療チームを作つて,適切な初期治療と陳旧症例の機能回復・形成術などに,相互に協力しつつ努力を重ねてきている.
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