論述
新鮮外傷の処置
水町 四郎
1
,
鈴木 勝己
2
1関東労災病院
2関東労災病院整形外科
pp.891-898
発行日 1966年12月25日
Published Date 1966/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903841
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戦時には悲惨な外傷が多発するが,平和な今日でも重篤な外傷は跡をたたない.交通機関が高速度化し,産業方面においても工業の重工業化,農業や土建の機械化等が見られたため,交通外傷も労働災害も重症が多くなつて来た.
外傷の辿る運命はその半分が受傷時の外力によつて決定され,残る半分が治療に当る全部の人々の努力によつて決定される.どんなFollw upの成績が示されても予防に勝る治療はない.しかし,一たん外傷が起れば交通外易であれ,労働災害であれ初期治療によつて予後は決定づけられる.救急医に限らず,最初に外傷の処置に当る医師は,重大な使命を負つている.我々が外傷の障害認定に従事し後遺症状を見る際,初期治療が適切でらつたならば労働力をかくも無惨に破壊しなかつたであろうと初期治療そのものに対して憤りを感ずることもある.
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