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大動脈起始部左室の肥厚性狭窄,他
pp.906-910
発行日 1961年10月20日
Published Date 1961/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202830
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肺動脈狭窄があると,右室出口の筋肥厚しそこに狭窄をつくり,弁孔狭窄を手術的に治療してもなお狭窄が残ることが知られている.同じように,大動脈狭窄でもその出口の左室筋肥厚が生じ,狭窄手術19カ月後にこの肥厚によるsubaortic stenosisが発生した等という例がある.こういうのをfunctional aortic stenosis,pseudo-aortic stenosis,familial muscular subaortic stenosisなどとよんでいる.大動脈狭窄様の症状があり収縮期圧勾配の大なる症例で,手術したら弁には狭窄がなく,その出口つまりsubaorticに限局した膜様の線維性の先天的らしい狭窄が見出されたという報告はBrock,Bercu,Brachfeldなどによつて相ついでなされた.これらは弁狭窄の二次的変化でなく,全く独立した疾患である.著者はそうした独立した疾患にidiopathic hypertrophic subaortic stenosisという名をあたえ,前記のfunctional stenosisなどをふくめている.そうした症例14例を自験し,そのくわしい症状を記載しているので,この方面に興味ある研究者には必読の文字である.
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