イレウス症状をおこした巨大水腎症を伴つた原発性尿管癌の1例

A case of the primary carcinoma of the ureter accompanied by a giant hydronephrosis which caused ileus symtoms

緒言

　原発性尿管癌は従来甚だ稀な疾患とされていたが，泌尿器科学的検査の進歩と本症に対する注意が深まつたことにより，最近その報告例が増加したが，なお外科の雑誌に発表されることは少い．私達はイレウス症状をおこして来院した患者に手術を行い，その原因が原発性尿管癌に随伴しておこつた巨大水腎症による症例を経験したのでここに報告し，些少共外科医の注意をひくことができれば幸せである．