Japanese
English
綜説
胆石の電子顕微鏡的研究(第2編)
Chapter 2. A Study on Gallstones by Electron Microscope
渡辺 暉邦
1
,
山崎 順啓
1
,
早野 春生
1
Terukuni WATANABE
1
,
Nobuhiro YAMAZAKI
1
,
Haruo HAYANO
1
1東京慈恵会医科大学第一外科教室
pp.297-301
発行日 1961年4月20日
Published Date 1961/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202738
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Ⅰ.緒言
Naunyn26)27)(1892)は結石生成は,胆汁鬱滞によつて胆道粘膜にカタル性炎症を誘発し,粘膜上皮細胞は脱落変性して胆脂化し,さらに他方胆汁中の蛋白溶解量の増加で,ビリルビン石灰が沈澱し,コレステリンの析出で結石が形成されると炎症性生成説をとなえた.
しかしAschoff-Bacmeister3)(1909)は胆道に胆汁が鬱滞し,胆汁中のコレステリンを溶解している中性脂肪,脂肪酸等が粘膜上皮細胞から吸収されてコレステリンがLuschka氏溝内に析出結晶していくと云う非炎症説およびビリルビン石は炎症性胆石であると云う二元説をとなえた.さらにLichtwitz15)16)(1907),Schade34)(1910)により,膠質学的理論が加味され,胆石生成機転の説明に有力な根拠を与えた.三宅20)(1927),Maitensson19)(1940),村田22)(1951),等の実験的炎症性胆石生成の成功による炎症説に対し,コレステリンの胆汁内増量と食餌および新陳代謝との関係はGood-man4)(1907),Aoyama2)(1916),三宅21)(1933)により明らかにされた.また松尾門下9)36)43)45)48)49)により一連の全身性病変によるコレステリンおよび石灰の代謝異常についても研究された.
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