集談会
第82回北陸外科集談会,他
pp.1117-1122
発行日 1958年11月20日
Published Date 1958/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202285
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1)橋腫瘍の1例
金大第一外科 中村 晋・他
5歳11カ月の女児,生来健康,1955年8月より左手の運動が拙劣となり,11月上旬より斜視を認め,12月上旬より右耳鳴を訴え歩行不能となる.12月14日入院外旋神経,右側麻痺,左側不全麻痺,三叉,顔面及び聴神経,右側不全麻痺,顔左半に著明な発汗,平衡失調あり左方に倒れて起立不可能,脳室穿刺に依り,脳圧正常,脳室の変形を認めない.後頭下開頭を行つたが,術中より脳浮腫が著しく遂に死亡した.剖検の結果,橋の上端より,延髄の下端に達し,稍々右側に偏する暗赤色の腫瘍であつた.殊に橋中央の高さに於て最も著しく,腫瘍はその断面積の殆んど8割を占め,第4脳室を殆んど閉塞せる血管膠腫であつた.
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