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内外頸動脈の側々吻合術,他
pp.1076
発行日 1958年11月20日
Published Date 1958/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202274
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頸動脈の通過障害は全長にくるものよりも部分的に起るものが多い.すなわち部分的に動脈内層に結合組織増殖と脂肪沈着とより成る動脈硬化性プラク(小板)が生じる.これを基礎として血栓形成がおこるとついに内腔は閉鎖する.さらに血栓は生長して頸動脈全長に及ぶ.このような頸動脈閉塞症はいわゆる動脈硬化症よりやや若い年齢におこり,著者は30〜58歳の4例を経験した.この4例に血栓剔除術を行つたが効果はなかつた.Miller Fischer(1951)は頸動脈閉塞が限局しているときは外頸動脈あるいはその枝を内頸動脈の閉塞部より末梢に吻合して救命しうることを指摘し,著者は2例に内外頸動脈の側に吻合を行つた.吻合に際しては脳血流を一時的に部分的に遮断するので,神経の障害を予防するため30℃の低体温法を用いた.2例中1例は術前頻発した半身不随発作が消失し術後9ヵ月でも吻合部はよく保存されていた.
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