Japanese
English
綜説
虫垂炎患者の虫垂組織フォスファターゼ反応に就いて
Histochemical studies on alkaline and acid phosphatase reaction in appendicitis
南 泰之
1
,
浜崎 昭二
1
Yasuyuki Minami
1
,
Shoji Hamazaki
1
1熊本大学医学部第一外科学教室
pp.842-844
発行日 1958年9月20日
Published Date 1958/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202234
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緒 言
炎症病巣にフォスファターゼ(以下「フ」と略す)の存在する事は,高松—武内1)により注目され,殊に急性炎症に際しての本酵素については,武内等2)3)4)5)の記載があり,中川6)はそのアルカリ性並びに,酸性「フ」に就いて詳細に検討し,武内7)の云う所謂病巣「フ」殊に炎症病巣「フ」の基礎的知見を提供した.武内2)7)によれば炎症病巣には,その急性期には浸潤細胞,殊に多核白血球に著明な「フ」の産生が認められ,病巣の破壊と炎症の強さに比例するにつれて白血球「フ」は増強し,その修復機転が進行し瘢痕化するにつれて「フ」は漸次消失し,遂には証明されなくなる.この様な所見から「フ」は炎症病巣の清掃浄化,消化吸收に極めて密接な関係があり,生体の急激な防衛反応には必須のものであると考えられる,吾々は日常急性化膿性炎症疾患として屡々虫垂炎患者に接するので既に虫垂炎患者の血球「フ」反応に就いて南2)が発表したが,今回は虫垂炎患者の切除虫垂に就いて化膿巣「フ」の組織学的検索をしたので此処に報告する.
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