Japanese
English
症例
虫垂粘液嚢腫の1例ならびに虫垂粘液嚢腫による廻盲部腸重積症の一治験例
A case of Appendix-Mucocele and A cured Case of Ilescoecal Invagination by Appendix-Mueocele
小川 新
1
,
栗原 儀郞
1
,
藤村 顯治
1
1社会保険広島市民病院
pp.591-594
発行日 1957年7月20日
Published Date 1957/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202019
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緒言
虫垂の粘液嚢腫Apendix-Mucoceleは1842年RokitanskyによりHydrops Processus Vermi—formisとして発表されて以来,逐年症例が加えられている.本邦にても1909年富田の発表以来50余例の報告があり,また最近小坂により本邦全症例による綜説的記載もある.さらに安藤は実験的に家兎を用いて比較的容易に多数の虫垂粘液嚢腫を形成することに成功した.私達も開院以来3ヵ年の間,500例の虫垂切除術を施行した際,本症の1例を経験したので,簡単に報告する.
つぎに廻盲部腸重積症は我々外科医にとり,しばしば遭遇する疾患である.しかしながら虫垂粘液嚢腫が重積症の原因となることは,極めて稀有で,本邦においては,中島,桜井を始め数例のようである.我々は最近さきの1例につゞいて本症による廻盲部腸重積症の1治験例を得たので,これを併せて追加報告して御批判を仰ぎたい.
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