Japanese
English
綜説
先天性股関節脱臼の遺伝
On the heredity of Luxatio Coxae Congenita
古庄 敏行
1
Toshiyuki FURUSHO
1
1熊本大学生物学教室
1Department of the Biology school of medicine, University of Kumamoto
pp.33-36
発行日 1957年1月20日
Published Date 1957/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201920
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先天性股関節脱臼は一般には歩行の遅延,又は跛行に依つて気付かれるが,実は新生児期より存するもので,その症状がはつきりしないためかわからないのである.
この関節部の異常状態は大腿骨頭と寛骨臼との異常摩擦乃至圧迫を起し該部がなお軟骨性なる乳児期に於て化骨遅延を来して,そのために寛骨臼の変形を生じて,ますます股関節の固定を妨げ関節嚢の弛緩を来して,起立歩行するようになると尚一層はつきり現われてくるのである.この先天性股関節脱臼は,Hippokrates,以来知られていたが近代に至るまで治療的効果はあげる事が出来なかつたのでありますが,19世紀の末に至つて,Lorenzが非観血的療法を創始するに及んで,好成績をあげ,今日の治療法の基礎をなしたのである.
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