Japanese
English
綜説
手指火傷に対する早期植皮の問題に就いて
The Problem of Immediate Skin Grafting in Acute Burns of the Hand
諸富 武文
1
,
久本 欽也
1
Takehumi MOROTOMI
1
,
Kinya HISAMOTO
1
1弘前大学医学部整形外科学教室
1Hirosaki University (Orthopedic Surg. of Medical School)
pp.829-836
発行日 1956年12月20日
Published Date 1956/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201882
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1.緒言
火傷時の局所治療は,他の外傷と同様先づ創傷治癒の方向にむけられた.紀元前450年Hyp—pocratesは種々なる薬剤を使用して創面の治癒を促進せしめようとする試みをなした.下つて5世紀後,Galenは色々の薬剤を試みて見て多くの示唆をなし,650年にはPaulus Ainetaは,この時代迄に使用されて来た火傷に対する薬剤につき検討し,それが収斂作用と鎮痛作用の目的にかなつた種類のものであることを述べた.Gross(1829)はTavernierの方法に従い火傷を3型に分け,夫々の損傷程度に応じた治療方法を示した.この頃迄の火傷の局所治療方法は,色々の収歛剤と鎮痛剤の使用によるもので,時代の推移と共に,以前動物からの調剤品を使用して火傷面を蔽つた所を壊死の分離速進のためにサフラン軟膏を蜂蜜でフランネル上に延したものを,貼布する様に変つたに過ぎなかつた.
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