Japanese
English
綜説
腓骨下端Metaphyseに発見せる骨透明巣
The unknown, well-defined ovoid, cyst-like area in the lower end of fibula
靑池 勇雄
1
1東京医科歯科大学整形外科
pp.653-656
発行日 1956年10月20日
Published Date 1956/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201857
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緒言
腓骨下端のMetaphyse部にBrodie骨膿瘍に似た透明巣,即ち前後像では直径10〜15mm大の卵円形で骨硬化によつて周囲が境された陰影を見ることは稀れでない.しかしその大半はその境界が不鮮明であるか,骨硬化が部分的であるがために,大した疑問も起らずに放置されていたわけであろうが,もしも,たまたま透明巣が骨硬化で周囲を境されて明らかな場合には問題にされ,しかもそれが病的変化として臨床上Brodie骨膿瘍,Osteoid Osteom,骨嚢腫など種々の透明巣を示す疾患が疑われ.この場合にその腓骨の透明巣の存在する部位やその近くに疼痛なり腫脹でもあろうものなら,一層診断に自信をもつて,疼痛や腫脹などの原因がその透明巣を呈する病変にあると考え,種々な診断の下に治療が行われて来たのである.
腓骨下端に限局的な透明巣を呈する原因として,現在までにBrodie骨膿瘍,Osteoid Osteom,骨嚢腫等,炎衝,腫瘍によるものが知られている.しかしこれらの疾患が腓骨下端に出現することは甚だ稀れなことであつて,Brodie骨膿瘍,Osteoid-Osteomのうち2〜3%に過ぎず,文献上に現われたものは各々10例にも達しないようである.
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