Japanese
English
綜説
広島,呉地方の毒蛾及び毒蛾皮膚炎に就いて
Venomous Moth in Hiroshima and Kure Districts, and the Dermatitis due to Venomous Moth
竹岡 英二
1,2
Eiji TAKEOKA
1,2
1広島大学医学部上村外科教室
2広島県厚生連吉田病院外科
1Surgery, Hiroshima University School of Medicine.
2Surgical Department,Yoshida Hospital, Hiroshima Prefecture.
pp.523-526
発行日 1956年8月20日
Published Date 1956/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201834
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まえがき
昨年(1955)6,7月頃東京以西の殆んど各県下に毒蛾が蔓延し,広島,呉地方にも之が多発して其の被害が問題となつた.問題を起した蛾は黄毒蛾又は単に「ドクガ」と称せられているEupro—ctis flava Bremerで,之は我国では明治22年宮城,岩手,山形各県下に大発生を起してより現在まで28回発生の記録があり,(但しそのうち3回は朝鮮に於ける記録である).昭和になつてからでも14回大発生しており,其の度毎に,多少とも被害を起している訳で決して本年が珍らしいものとは言えない.
斯る大発生の原因として,暖冬,暑い空梅雨,天敵の減小,幼虫が殆んどあらゆる種類の植物の葉を餌として生活出来る事等其の他種々の要因が考慮さるべきで,決して1,2の事象のみで解決出来る問題でないが,毒蛾が螢光燈を慕つて集る傾向のある事は事実らしい.
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