連載 病院めぐり
国立呉病院
藤井 恒夫
1
1国立呉病院
pp.987
発行日 1997年9月10日
Published Date 1997/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903040
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国立呉病院のルーツは明治22年創設の呉海軍病院で,終戦により英濠軍に接収されていたが,解除後の昭和31年に国立呉病院として発足している.昭和40年には中国地方がんセンター,昭和50年にICU,CCU,昭和54年に救命救急センター,昭和57年に臨床研究部,昭和60年には母子医療センター(NICU 15床)が設置され,昭和61年に高度総合診療施設に位置づけられている.現在は23診療科,730床,常勤医師118名(研修医,レジデント50名)で,産婦人科(54床)は常勤6名(研修医1名,レジデント1名)で,そのうち2名が細胞診指導医である.
婦人科診療においては,がんセンターとしての機能を発揮するため,がん医療に最も重点を置き,初期癌に対しては生殖機能温存を目的とした縮小手術を行い,進行癌に対しては外科との連携による腫瘍減量手術療法,放射線科との連携による放射線療法に加えて,積極的な化学療法の併用により進行子宮頸癌,進行体癌,進行卵巣癌の治療成績を改善してきた.とくに卵巣癌に対してはdose inten—sive chemotherapyにより,進行卵巣癌の生存率の向上を達成し,さらに血液内科との連携で末梢血幹細胞移植による大量化学療法を経験しており,常にトップレベルのがん治療をめざして診療している.
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