臨床
先天的に虫垂欠如を思わせた1例
土橋 秀孝
1
,
星 広藏
1
1社会保険埼玉第一病院外科
pp.711-713
発行日 1955年10月20日
Published Date 1955/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201693
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緒言
虫垂の位置異常としての臨床的報告はかなり多数みられるが,虫垂の全欠如はRauber-Kopsche,Andersonの病理解剖学成書等にも記載されて居る如く甚だ稀とされている.欧米に於てはRobin—son,Marie,Sprengel,Unger,Darrah,Wul—sten,Kaufmann等の報告を始めとして現在迄約40例の報告があるが本邦に於ては岸川,福井,森岡,長良,中村,星野及び三上等の7例の報告を見るのみである.最近余等も又急性穿孔性虫垂炎による汎発性腹膜炎の診断で手術を行つた患者に遂に虫垂の存在を認め得なかつた興味ある一例に遭遇したので茲に報告する次第である.
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