最近の外國外科
破傷風血清の動脈内注射療法,他
F. Kootz
pp.225
発行日 1954年4月20日
Published Date 1954/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201417
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(Der Chirurg 24, 207, 1653)
破傷風血清を静脈内,筋肉内或は皮下等に注射する方法は血清が脳に達する迄に高度稀釈を受けることゝ,血中から脳組織への抗毒素移行が容易でない為神経細胞に進入するものは極めて少い.又腰椎穿刺によつて血清を注入しても抗毒素が髄液から脳へ移行し難い為効果が少いばかりでなく,アレルギー性髄膜炎を併発したという報告もある.
著者はこの意味で内頸動脈内に各側毎日1万単位宛3日間連続注射することを推奨している.動脈内血栓形成のおそれは少く、本法施行により以前23例中14例の死亡を見たのに反し,施行後は11例中僅か2例の死亡例を倒したに過ぎないことは注目に値する.
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