特集 頸部外科臨床の進歩
リンパ腺結核症の治療
濱口 榮祐
1
1國立東京第一病院
pp.751-762
発行日 1953年12月25日
Published Date 1953/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201347
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I.序
リンパ腺結核症の問題は古くして,しかも今日なお種々未解決の重要課題を藏している。殊に最近急速に發達した結核症の化學療法はリンパ腺結核症の治療法をも一變したかの觀がある。われわれは既にリンパ腺結核症を始め,身體各部の結核性冷膿瘍に關し,化學療法を主體とする研究を數次に亙つて報告して來たが,それらは主として治療の近接成績であつた1)2)3)。結核症の如く,慢性經過をとり,しかも再發の多かるべき疾患では治療の遠隔成績を調査し,飜つて各治療法の効果を比較検討し,今後の參考とすることは極めて有意義である。この報告では從來の治療法を批判しわれわれの經驗を述べ,最近調査した遠隔成績から本症の治療法の將來について言及する。
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